退職金(受取前)と破産申立

<事案>

退職金受給前の方が破産申立をした事案。

 

 

<解決に至るまで>

債権者数   8社

残債務額   約1000万円(住宅ローン残債務を含む)

財産     退職金(受取前) 約470万円

 

 

<最終的な結果>

Aさんは,住宅ローン付き不動産売却後,住宅ローン残額を支払ってきましたが,給与・賞与の減額で残債務の返済が難しくなりました。定年退職まで残り2年で,完済する見込みがないためご来所されました。 約30年間勤務し,退職金の見込額が約470万円でしたので,破産管財事件で申立をして,退職金見込額につき自由財産拡張申立(注2)をしました。退職金も自由財産拡張申立の対象となる財産の一つですが,破産手続では他の財産と異なり,原則見込額の8分の1が財産とされます。Aさんの見込額は470万円なので,約59万円が財産となります。自由財産拡張は99万円まで可能ですので,Aさんの退職金は拡張申立が認められ,特に問題なく手続は進み,無事に免責決定がされました。

 

 

<担当者から>

インターネット掲示板などで,「破産すると財産全部なくなる」との書き込みを見かけます。本来的自由財産(注3)や自由財産拡張申立がありますので,上記は正しくありません。かといって,何でも自由財産・自由財産拡張となるわけではありません。自由財産とその拡張については,破産法と破産手続運用の正しい理解と知識が必要です。破産事件を多く手がける弁護士へのご相談をお勧めします。

 

 

【用語説明】

(注1)破産管財事件 (破産法31条1項)  通称「管財事件」

破産管財人が選任され破産者の財産をお金に換え債権者に配当するお金を確保する手続。

大阪地方裁判所の場合,破産管財人への引継予納金として20万5000円の納付が必要となる。

(注2)自由財産拡張申立

個人破産の場合に,破産者の経済的再生のため,破産財団に属しない財産の範囲を拡張する手続。

一般的に拡張が認められるのは,預金,保険,退職金,自動車,敷金。

拡張が認められると,破産管財人に処分されず,破産者の財産として保護される。

なお,拡張の上限は99万円。

(注3)本来的自由財産 (破産法34条3項2号)

個人において法律上差押えが禁止された財産。通常の家庭にある生活必需品をいう。

具体的には,食器,衣類,テレビ冷蔵庫などの家電など。

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