NO.182 住宅特則付き個人再生と転職

<事案>

 住宅特則付き小規模個人再生(注1)で,申立直前に転職をした事案。

 

 

<解決に至るまで>

債権者数 7社
残債務額 住宅ローン 2300万円
     消費者金融・クレジットカード 700万円
     合計 3000万円
資産   自宅
収入状況 転職前:月収29万円,転職後:転職直後30万円,3か月目から36万円

 

 

<最終的な結果>

 消費者金融とクレジットカードの支払がかさみ,ご自宅をなくすおそれがあるためご来所されました。ご自宅を守りたいとのことでしたので,住宅特則付き小規模個人再生での解決を図ることにしました。
 申立直前に転職をされるとのことでした。ご本人は,同業種で前と変更ないので問題ない,と考えておられたようですが,申立手続からすると問題です。転職後の収入での履行可能性(注2)を裁判所に説明する必要があります。そのため,今後の収入予想を丁寧に報告したところ,裁判所から履行可能性に関する指摘はなく再生開始決定,再生計画認可決定となりました。
 なお,ご本人から聞いたところでは,責任ある立場になり,前より忙しくなったが,収入が増え,やりがいもある,とのことでした。

 

 

<担当者から>

 個人再生手続において,裁判所は履行可能性を一番気にしています。裁判所において履行可能性なしと判断されると,再生委員(注3)選任,取下指示,却下までありえます。

 
【用語説明】
(注1)住宅特則付き小規模個人再生(民事再生法第13章以下)
 住宅ローンはそのまま払い続け,消費者金融やクレジットの総債務額を減額した最低弁済額を原則3年で分割弁済することで,消費者金融やクレジット残額の免除を受ける手続。
(注2)履行可能性
 個人再生手続で,弁済計画に基づく返済が継続できる可能性のこと。個人再生手続では最も重視されるポイント。
(注3)再生委員
 個人債務者再生で,履行可能性と積立,申立内容に問題がないか監督する人。
 申立代理人以外の弁護士が選任される。再生委員との定期的な面談が必要になるなど,申立人は再生委員の監督を受ける。大阪地方裁判所の場合,選任には,30万円以上の予納金の納付が必要。

 

 

 

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