おまとめローンは借金問題を根本からは解決しない 具体的に解決する方法とは
いくつかの消費者金融からお金を借りている人であれば、状況を少しでも改善するために、「借金の一本化」を検討したことがあるのではないでしょうか。
その、借金の一本化によく使われるのが、「おまとめローン」と呼ばれるサービスです。
返済額を下げたり、金利が下がったりするというメリットが前面におしだされた広告がよく見られますが、デメリットがあるのも事実です。
この記事では、おまとめローン利用時に注意しておきたいデメリットや、根本的に借金問題を解決する方法などについて説明します。
そもそもおまとめローンとは
第一におまとめローンとは、複数の会社から借り入れている借金を、現在よりも低い金利で新たに借り入れを行い、返済先を一社にまとめるものです。
おまとめローンを利用すると、
・返済先が1社なので、返済作業の負担が減る(管理が楽になる)
・多重債務の状況から抜け出せる
・金利が低くなり、金銭的負担が軽減される
といったメリットが得られます。
複数の債務がある人や、毎月の返済額が多くて負担を感じている人を想定したサービスです。
これらのようなメリットが有る一方、そもそも借金の額自体は変わりませんから、根本的な解決にはなりません。
また、デメリットもあります。
おまとめローンのデメリット
おまとめローンのデメリットには、
1 借金の元金は減らない
2 審査が厳しく通りづらい
3 返済期間が長期になりやすい
4 利率は下がるが、返済期間が長いので、総支払額が増える
などがあります。
順番に説明します。
借金の元金は減らない
おまとめローンを利用することで、金利が下がったり、返済先が1つになって返済スケジュールが立てやすいというメリットがあります。
しかし、借金の元金そのものは減りません。
おまとめローンは借金問題の救世主のように思われがちですが、実は根本的な解決方法ではないのです。
弁護士にご相談いただければ、あなたの状況に合わせて「債務整理」という手続きを提案します。
債務整理であれば、借金の元金そのものを減らしたり、利息をカットすることが可能なのです。
審査が厳しく通りづらい
おまとめローンについてよく言われるのが、審査に通りづらいということです。
イメージしやすいように、具体的な例を考えてみましょう。
例えば、
A社から 200万円
B社から 100万円
C社から 100万円
借り入れしている人が、おまとめローンを使うとします。
それぞれの借金の元金を足すと、総額は400万円です。
つまり、おまとめローンを活用するには、400万円のローンの審査に通らないとなりません。
借金の元金が増える分、当然審査基準も厳しくなります。
おまとめローンを契約する金融機関は、B社やC社の4倍のリスクを追わなくてはならないからです。
よって、おまとめローンは審査に通りづらくなるのです。
また、借り換える前の返済で、期限を守れていないことが何度もあったり、現状で安定した収入をえていない場合も、審査が通りづらくなります。
そもそもおまとめローンが借りられない、というリスクがあることを知っておかなくてはなりません。
※注意
審査に通りたいからといって、虚偽の申告は絶対にしてはなりません。金融機関に求められたら、必ず正しい情報を提供しましょう。
返済が長期間になりやすい
おまとめローンを活用すると、以前よりも月の返済額を減らせます。
しかし、元金が減るわけではないので、毎月の返済額を減らせば減らすほど、返済期間は長期化します。
早期の完済を希望するのであれば、おまとめローンを使うと逆効果になるリスクがあります。
支払い総額が増えるリスク
上記で説明した通り、おまとめローンを利用すると返済期間が長くなるリスクがあります。
返済期間が長くなれば、どんなに低金利で融資を受けられたとしても、最終的には支払総額が増える可能性があります。
多くの方は、金銭的な負担を軽減するためにおまとめローンを活用します。しかし、実際に支払う金額が増えてしまっては元も子もありません。
根本的に借金の問題を解決する方法「債務整理」
おまとめローンには、上記で説明したようなデメリットがあります。一部の負担は軽減されるため、飛びついてしまいやすいですが、実際には最終的な支払額が増える可能性までもあるのです。
それでは、借金問題は根本から解決されるどころか、状況が悪化してしまいます。
もっと、ご自身の負担を減らしたいと考えるのであれば、債務整理をするのも視野にいれてみてください。
債務整理とは、借金を減額したり、支払い期間に猶予をもたせたりと、返済の負担から解放されるための手続きです。
債務整理には、
・任意整理
・個人再生
・自己破産
という主に3つの方法があります。
それぞれの方法の特徴を下記にまとめました。
個人再生 | 自己破産 | 任意整理 | |
減額 | 原則1/5に減額(借入額によって異なる) | 全て無くなる | 利息と過払い金分の減額 |
手続き期間 | 6~12ヶ月程度 | 4~12ヶ月程度 | 1~3ヶ月程度 |
会社 | 知られる可能性低 | 知られる可能性低 | ほとんど知られない |
家族 | 知られる可能性有 | 知られる可能性有 | ほとんど知られない |
職業の制限 | なし | 手続き期間は一部制限有 | なし |
先程も説明しましたが、3つの方法それぞれに特徴があります。
あなたの借金がどのような状況なのか、持ち家はあるのか、家族に知られずに解決したいのか、など様々な条件を加味して、一番いい手段を選ばなくてはなりません。
それぞれの方法について、簡単に特徴を解説します。
任意整理
任意整理は、利息や過払い金分の減額を債権者に交渉する手続きです。
利息がカットされるだけでも毎月の返済額は減りますので、生活に支障がない範囲で返済が続けられます。
他の債務整理方法である個人再生や自己破産は裁判所を通して手続きを行いますが、任意整理は直接債権者とやり取りを行います。
任意整理は、減額できる幅が小さいというデメリットはありますが、手続きにかかる時間が短い上、会社や家族など周囲の人間に手続きの事実が知られるリスクが低いのがメリットです。
個人再生
個人再生は、裁判所を通して行う手続きです。裁判所に、借金返済が困難な事実を認めてもらい、借金を減額してもらいます。
その減額された借金の残りを、3~5年かけて分割で支払うという手続きです。
借金は、基本的に元の額の1/5程度にまで減額されます。ただし、借り入れている額によって、減額幅は異なるので注意してください。
また、自宅を残して債務整理をしたいという方であれば、個人再生の「住宅ローン特則」を活用することが考えられます。
住宅ローン特則とは、住宅ローンはこれまで通り支払い続け、それ以外の借金の減額や分割を行うというものです。
自己破産であれば、自宅も手放さなくてはならない可能性が高いですが、個人再生であれば自宅に住み続けながら債務整理が可能なのです。
自己破産
自己破産は、裁判所にあなたが借金を返済する能力がないことを認めてもらい、借金をすべて帳消しにする手続きです。
定められた範囲以上の財産(自宅や土地、車など)を手放さなくてはならないというデメリットはありますが、借金の返済義務が免除されるというメリットがあります。
また、たとえ破産したとしても戸籍や住民票、マイナンバーカードなどにその事実が記載されたり、破産を理由に会社から解雇されたりすることはありません。
借金のお悩みは弊事務所へご相談を
上記で説明したとおり、おまとめローンを使って借金を一本化して返済するのは、メリットもあります。
しかし、借金の根本的な解決にはなりません。
弁護士にご相談頂ければ、借金問題を根本的に解決する「債務整理」と呼ばれる手続きを、あなたに代わって実行します。
本来債務整理は複雑な手続きで、裁判所とのやり取りやたくさんの資料提出など、面倒な作業がたくさんあります。
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