リバースモーゲージとは:高齢者向けの不動産担保融資

リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは、「reverse(逆)」「mortgage(抵当)」直訳すると「逆抵当」という意味になります。

リバースモーゲージを一言で説明すると、自宅などの不動産を担保に金融機関等から融資を受ける制度のことなのですが、なぜ「逆抵当」という名前がついているかというと、
通常の住宅ローンであれば、まとまった金額を借りて、毎月少しずつ返済していく方式を取ります。
一方、リバースモーゲージでは、毎月少しずつお金を借りて、契約終了時(契約人が死亡したときなど)にまとめて返済をします。通常のローンと手順が全く逆なのです。

家を売却せずにまとまった額を借りることができるため、近年注目を集めています。

リバースモーゲージ制度とは

リバースモーゲージは、自宅を担保に生活資金を借り入れする高齢者向けの制度です。
自宅を担保にするといっても、退去する必要はなく、今まで通り住み続けられます。

融資可能額は自宅の評価額の50~60%で、一括あるいは何回かに分けて受け取れます。
少額を毎月借りて生活費にあてる方もいれば、借金や住宅ローンの返済のために大きな額をまとめて借りる方もいます。
契約者が存命中は毎月利息分のみを返済し、契約者が死亡した後に自宅を売却して一括で返済を行います。

遺産としての不動産は管理や分配が難しいという理由で、相続人である子供から嫌がられる傾向にあります。
そのため、「いらないと言われるくらいなら、現金化しよう」と考えてリバースモーゲージを利用する方が増えてきているのです。

社会福祉としての制度と金融サービスとしての制度

リバースモーゲージには、社会福祉協議会などが運営する公的な制度と民間金融機関が運営する金融サービスの2種類があります。

公的リバースモーゲージは、正式名称を「不動産担保生活資金」と言います。
この制度は、高齢(65歳以上)かつ低所得でないと利用できません。また、担保となる不動産もマンションは対象とならず、一戸建てのみが対象です。
利用するための条件が厳しいのは、この制度があくまで低所得で年金だけでは生活ができない高齢者を対象とした福祉制度だからです。

一方、民間制度の方は、利用に対するハードルは低いです。55歳以上であれば利用できる金融機関もあります。
エリアや広さ、築年数によってはマンションも対象となるのも特徴です。
生活資金以外の使い方も可能で、ローンの返済にあてる方、有料老人ホームの入居資金にあてる方など様々です。

メリットとデメリット

近年、「老後の生活資金調達によい」「溜まっていたローンや借金を一括返済するのによい」と言われ、注目されているリバースモーゲージですが、大きなメリットとともに注意しなくてはならないデメリットもあります。

また、このメリットとデメリットは、リバースモーゲージを利用する高齢者だけでなく、その相続人にあたる方も理解しておく必要があります。
リバースモーゲージの特性上、融資資金の元金を返済するのは契約者が亡くなったあとです。
一部の銀行では、担保とした自宅の換金を全て銀行側が代理するサービスもありますが、基本的には相続人が売却・返済をしなくてはなりません。
「遺産としての家は処理が面倒だからいらない。親が生活資金として換金するならそれでいいや。」と放置するのではなく、自分にも関係があることだと考えておかなくてはなりません。

メリット

リバースモーゲージには、以下のメリットがあります。

①自宅に住み続けながら、まとまった額の融資を受けられる(一括借り入れる方法も、毎月少しずつ借りる方法も選べる)

②毎月の支払いは利息のみ。元金の返済は契約者の死後、家を売却して行う。

③資金使途は自由(ただし投資目的は除く)

④契約者が死亡しても、清算なしで配偶者に引き継げる

①と②に関しては上記の内容で説明しましたので、ここでは③④に関してお話します。

まず、③についてですが、公的リバースモーゲージでは、「生活費として」使う場合に限って制度を利用できます。
しかし、民間金融機関のリバースモーゲージでは、借り入れたお金は比較的自由に使えます。そのため、有料老人ホームの入居資金とする人や、借金を返済するのに使う人など、様々な使い方があります。
ただし、多くの金融機関で、リバースモーゲージで借り入れたお金を投資目的で利用することは禁止しているため、注意が必要です。

④について、リバースモーゲージについてよく聞かれるのが、「契約者が亡くなれば、その配偶者が存命であっても家を追い出されるのか?」という疑問ですが、これは誤解です。
リバースモーゲージの先駆者とも言える東京スター銀行では、最初の契約時に配偶者を連帯債務者にしておけば、夫婦がどちらも亡くなるまで自宅に住み続けられます。
よって、一人残された配偶者が自宅を追い出されることはなく、最期まで慣れ親しんだ家で暮らし続けられるのです。

デメリット

一方、リバースモーゲージのデメリットとして、以下のようなものがあります。

①評価額の下落リスク

②長寿リスク

③金利上昇リスク

それぞれについて詳しく説明します。

まず、①評価額の下落リスクです。リバースモーゲージでは、契約時に自宅の査定をして評価額を決定します。その評価額の50~60%が融資の限度額となるのですが、評価額は数年に一度見直しが行われます。
万が一この見直しで評価額が一気に下落し、借入額が貸付限度額を超えた場合
(今借りているお金>貸付可能額 となった場合)上回った額あるいは残高全てを返済しなくてはなりません。
評価額が急激に下落する可能性は決して高くありませんが、ゼロとは言えません。リスクとしてあることを知っておいた方がよいでしょう。

続いて、②の長寿リスクに関してです。
通常、リバースモーゲージは契約者の死亡後に返済する制度ですが、それとは別に契約期間が設定されている場合があります。この契約期間が切れたとき、契約者の死亡・存命に関わらず、借りたお金を返済しなくてはなりません。
本来、長生きとはめでたく喜ばしいことです。しかし、想定よりも長生きした場合、存命中でまだまだ生活資金は必要であるにも関わらず、お金を一括返済しなくてはならないのです。

そして、③金利上昇リスクです。
リバースモーゲージの多くが変動金利型です。そのため、契約中に金利が大幅に上昇した場合、借入額も増え、担保である家の評価額を超えてしまうリスクが発生します。
想定よりも早く融資可能額の上限に達してしまうと、当初の借入プランが崩れてしまいます。
また、毎月の利息額も増えるので、生前に返済しないとならない額が増えるリスクもあります。

よくある勘違い

メリットとデメリット両方を持っているリバースモーゲージですが、多くの方が「怖い」「危険である」といったイメージを持っているようです。
しかし、その方が「リバースモーゲージは危険だ」と判断した理由を聞いてみると、ちょっとした勘違いが原因だったことも少なくありません。

リバースモーゲージに関するよくある勘違いについて説明します。

死亡後は必ず家を売らなくてはならない?

リバースモーゲージについて、「契約者が亡くなったあとは、必ず家を売らなくてはならない」と感じている方がとても多いです。
しかし、家を売って返済する方法は、いくつかある返済方法のうちの1つに過ぎません。
他にも、

○契約者本人が生前に繰り上げ返済をする

○相続人が家以外の資産を換金して返済する

などの方法があります。

相続人に負担がかかる?

「相続人である子供たちに負担がかかるのでは?」という心配をしている方も多くいます。
というのも、そういった心配をされている方は、リバースモーゲージの契約をするときに「相続人全員の同意書が必要である」という情報を聞いた方がほとんどです。
確かに、リバースモーゲージを利用するためには、ほとんどの金融機関が相続人全員の同意、あるいは同意書を求めます。
将来、相続人が引き継ぐであろう家を担保に融資をするわけですから、ある意味当然とも言えます。

ただし、契約人が亡くなった後の手続きについては、相続人に負担がかかるとは限りません。
金融機関によっては、自宅の売却や返済手続きを全て代行してくれるプランもあります。
相続人にかかる負担をできる限り減らすのであれば、そういった商品を探してみるのも一つの手です。

住宅ローンにお困りなら早めに弁護士に相談を

借金や住宅ローンの返済に困っていて、リバースモーゲージを検討しているなら、一度弁護士にご相談ください。

弊事務所には、債務問題の経験豊富な弁護士が多数在籍しております。

リバースモーゲージには、まとまったお金を一括あるいは分割ですぐに借りられる、また返済は契約者の死後に一括で行う、というメリットがあります。
しかし、その一方で長生きリスクや価格変動リスクなどのデメリットもあります。

さらにせっかくリバースモーゲージを活用しても、借金の返済が追いつかない可能性もあります。

まずは債務整理に強い弁護士に相談してみて、最善の方法を一緒に探してみませんか。

弊事務所では様々な選択肢の中から、ご依頼者に合う債務整理の方法をご提案致します。

初回相談料は無料ですので、お気軽にご連絡ください。

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