NO.113 時効援用と債務整理 2

<事案>

消費者金融からの借入金につき,最後の弁済から5年を経過しているので消滅時効(注)の援用をして,時効が完成していない業者につき任意整理で解決した事案。

 

 

<解決に至るまで>

各社の債務額と和解内容(概要)

○三菱UFJニコス 0円で解決

残債務額:35万円

最終弁済から5年以上経過のため消滅時効援用,残債務支払義務なし

○フクホー 約131万円の支払で和解成立

残債務額:約131万円

最終弁済後,訴訟提起をされているため,時効中断事由あり時効完成せず。やむなく現在額の支払で和解成立

 

 

<最終的な結果>

三菱UFJニコス分は,内容証明郵便で消滅時効の援用をすることで債務の支払を免れ,時効が完成していなかったフクホー分は,現在額を支払うことで和解できました。

 

 

<担当者から>

消費者金融,クレジットカード会社や債権回収会社から,最後の支払後5年経過している債務の請求を受けたときは,支払う必要のない債務かもしれないので,弁護士にご相談されることをお勧めします。

 

 

【用語説明】

(注)「消滅時効」

権利を行使しない状態が一定期間続くと権利を消滅させる制度(民法167条)。

貸金業者の債務は,最終の弁済から5年間の経過で消滅時効完成となる。消滅時効完成後,援用することで効果が発生し,債務の支払を免れる。なお,消滅時効援用は,後日の証明のため,内容証明郵便でされることがほとんどである。

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