NO.476 債務整理 ⇒ 長期分割弁済

<事案>

 債権回収会社1社,消費者金融2社,約700万円の分割による支払の事案。ご依頼者様が可能な限り長期での弁済を希望されたため,貸金業者が難色を示し,交渉は難航すると思われました。

<解決に至るまで>

各社の債務額と和解内容(概要)

○パルティール債権回収

 残債務額:約620万円 頭金100万円,分割和解:8万7000円 × 60回(5年)払い

○SMBCコンシューマーファイナンス

 残債務額:約35万円 最後の返済から5年以上経過しているため,時効援用 0円で解決

○アコム株式会社

 残債務額:約45万円 最後の返済から5年以上経過しているため,時効援用 0円で解決

<最終的な結果>

 本人のご希望から任意整理での解決を選択しました。最終弁済から5年以上経過している借入については消滅時効(注1)の援用をして,支払義務を免れました。債務の残った分については,長期(約5年)分割弁済での提示となり,債権者が難色を示すと思われましたが,当方で弁済案を作成し,積極的に交渉を進めたこともあり,何とか経過利息(注2)一部カットと将来利息(注3)なしで和解することができました。

【用語解説】

(注1)「消滅時効」 

 権利を行使しない状態が一定期間続くと権利を消滅させる制度(民法167条)。

 貸金業者の債務は,最終の弁済から5年間の経過で消滅時効完成となる。消滅時効完成後,援用することで効果が発生し,債務の支払を免れる。なお,消滅時効援用は,後日の証明のため,内容証明郵便でされることがほとんどである。

(注2)「経過利息」 

 受任通知発送後,貸金業者との和解成立までに発生する利息・損害金のこと。

 貸金業者によって異なるが,経過利息の全額免除は難しい傾向がある。

(注3)「将来利息」 

 貸金業者との和解成立後,完済するまでの間に発生する利息のこと。 当事務所では,原則将来利息なしで和解をしている。将来利息が発生しないので,任意整理中は,債務は増えることはなく,弁済で減っていく一方になる。

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