NO.361 債務整理 ⇒ 時効援用と債務整理

<事案>

 消費者金融からの借入金と家賃保証会社の保証債務につき,最後の弁済から5年を経過しているので消滅時効(注)の援用をして,時効が完成していない業者につき任意整理で解決した事案。

<解決に至るまで>

各社の債務額と和解内容(概要)

○アイフル株式会社(判決あり,時効完成せず)

 残債務額:約57万円  分割和解:1万円 × 57回(約5年)払い

○アイ・アール債権回収株式会社 0円で解決

 契約上の残債務額:15万円

 最終弁済から5年以上経過のため消滅時効援用,残債務支払義務なし

○アイ・アール債権回収株式会社 0円で解決

 契約上の残債務額:20万円

 最終弁済から5年以上経過のため消滅時効援用,残債務支払義務なし

○株式会社セディナ債権回収 0円で解決

 契約上の残債務額:12万円

 最終弁済から5年以上経過のため消滅時効援用,残債務支払義務なし

○アコム株式会社 0円で解決

 契約上の残債務額:15万円

 最終弁済から5年以上経過のため消滅時効援用,残債務支払義務なし

○株式会社グランドパートナーズ(家賃保証会社) 0円で解決

 契約上の残債務額:180万円

 最終弁済から5年以上経過のため消滅時効援用,残債務支払義務なし

<最終的な結果>

 判決があり時効が完成していない消費者金融については分割弁済での和解をして,それ以外につき,内容証明郵便で消滅時効の援用をすることで債務の支払いをする必要はなくなりました。

<担当者から>

 消費者金融,クレジットカード会社や債権回収会社から,最後の支払後5年経過している債務の請求を受けたときは,支払う必要のない債務かもしれないので,弁護士にご相談されることをお勧めします。

【用語解説】

(注)「消滅時効」 

 権利を行使しない状態が一定期間続くと権利を消滅させる制度(民法167条)。

 貸金業者の債務は,最終の弁済から5年間の経過で消滅時効完成となる。消滅時効完成後,援用することで効果が発生し,債務の支払を免れる。なお,消滅時効援用は,後日の証明のため,内容証明郵便でされることがほとんどである。

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