NO.217 破産申立と自由財産と浪費

<事案>

 破産申立で預金と保険につき自由財産拡張申立(注1),過去のギャンブルにつき報告をし,免責観察型(注2)の破産管財手続を経て裁量免責(注3)となった事案。

<解決に至るまで>

債権者数  9社

残債務額  約2900万円(住宅ローン残を含む)

財産    自由財産拡張財産:預金5万円,保険解約返戻金80万円

<最終的な結果> 

 本件は,預金と保険があり,自由財産拡張をするため,破産管財事件(注4)として申立をしました。

 一般的に,自由財産拡張申立の対象となるのは,預金,保険,退職金,自動車,敷金です。預金,退職金は,合計99万円以下だったので,自由財産拡張が認められ,破産管財人に処分されることはなくなりました。

 問題点として,本人が過去にパチンコで借金を増やしてしまったことがありました。ギャンブルも免責不許可事由(注5)にあたります。ご本人は反省してすでにやめており,今後はするつもりはないこと,家計収支は正常になっていることなどを丁寧に報告し,破産管財人の免責観察を経て裁量免責がされました。

【用語説明】

(注1) 自由財産拡張

  個人破産の場合に,破産者の経済的再生のため,破産財団に属しない財産の範囲を拡張する手続。一般的に拡張が認められるのは,預金,保険,退職金,自動車,敷金。拡張が認められると,破産管財人に処分されず,破産者の財産として保護される。

(注2) 免責観察型

 免責不許可事由があり,免責不許可の可能性が高い場合,裁量免責のため,破産管財人による調査,指導監督を受ける手続き。

(注3) 裁量免責

 免責不許可事由が存在する場合,裁判所は,経緯その他一切の事情を考慮して,相当と認めるときは裁量で免責を許可することができる(破産法252条2項)。

(注4) 破産管財事件 (破産法31条1項)  通称「管財事件」

 破産管財人が選任され破産者の財産をお金に換え債権者に配当するお金を確保する手続。

 大阪地方裁判所の場合,破産管財人への引継予納金として20万5000円の納付が必要となる。

(注5) 免責不許可事由(破産法252条)

 破産手続で免責が認められないとされる事由。

 支払不能後の処分行為,浪費,ギャンブル,詐術による信用取引,財産関係資料の隠匿・破棄,虚偽の債権者一覧表の提出,裁判所・破産管財人に対する説明義務違反などがある。

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