NO.231 会社代表者の破産申立と自由財産
<事案>
代表者であるので会社と共に破産管財事件(注1)として申立をしたが,預金及び保険解約返戻金につき自由財産拡張申立(注2)をした事案。
< 解決に至るまで >
債権者数 8社
残債務額 約1億1500万円
財産 自由財産拡張財産:預金2万,保険解約返戻金10万円
<最終的な結果>
大阪地方裁判所の運用では,会社の代表者は会社と共に破産管財事件として申立をする必要があります。
預金と保険解約返戻金で総額12万円の財産があったので,自由財産拡張の申立をしました。これらの財産が申立人の生活及び経済的再生に欠くことができないことを説明し,破産管財人は自由財産拡張を認めました。代表者は真面目な方で問題もないため,無事免責決定がされました。
代表者は有能な方でしたので,申立後早々に再就職しました。ご来所の際,「新しい業種で資格を取得する必要があり勉強が大変」とおっしゃいましたが,活き活きとしていました。
<担当者から>
一般的に会社と代表者は同時に破産申立をします。会社には大きな工場があり,明渡作業が必要でしたが,年末年始をはさんだため,時間がかかりました。そのため,明渡後完了後,急いで1週間で申立をしました。
【用語説明】
(注1) 破産管財事件 (破産法31条1項) 通称「管財事件」
破産管財人が選任され破産者の財産をお金に換え債権者に配当するお金を確保する手続。
法人代表者の場合,必ず破産管財事件となる。大阪地方裁判所の場合,破産管財人への引継予納金として20万5000円の納付が必要となる。
(注2) 自由財産拡張
個人破産の場合に,破産者の経済的再生のため,破産財団に属しない財産の範囲を拡張する手続。一般的に拡張が認められるのは,預金,保険,退職金,自動車,敷金。拡張が認められると,破産管財人に処分されず,破産者の財産として保護される。
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