NO.246 自宅任意売却後の破産申立
<事案>
自宅を任意売却後の残債務につき破産申立をした事案。
<解決に至るまで>
債権者数 2社
残債務額 約1100万円(住宅ローン残債務を含む)
財産 特になし
<最終的な結果>
持病が悪化して退職後,住宅ローンが支払えなくなり,自宅を任意売却(注1)しましたが,1100万円の債務が残ったためご来所されました。ご本人は,真面目な方で免責不許可事由はありませんが,自宅の任意売却は破産管財人の否認権行使(注2)の対象になりえます。そこで,任意売却が適正価格での売却であること,売買代金の使途について詳細に報告することで,無事免責決定がされました。
<担当者から>
本件は,任意売却後にご来所された案件です。売却を仲介した不動産仲介業者さんがしっかり資料を作成し,ご本人もしっかり保管していたので,助かりました。
【用語解説】
(注1)「任意売却」 略称:「任売」(にんばい)
担保権が付いた不動産につき,法的手続(=競売)ではなく,担保権者との任意交渉で担保抹消同意を得て売却する手続。①任意交渉であるので所有者側に主導権がある,②競売より高額で売却できることが多く売却後の残債務を少なくすることができる,③引越費用を売却代金から取ることができる,などのメリットがある。
(注2)「否認権」
破産管財人が,破産手続開始前にされた破産者または第三者の行為の効力を否定して破産財団の回復を図ること。破産債権者を害する行為(破産法160条)や対価を隠匿するための処分行為(同法161条)などが対象となる。
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