NO.327 債務整理 ⇒ 個人再生と破産申立

<事案>

 収入状況では個人再生(注1)が可能と思えたが,本人の希望と定年退職が近いため破産申立(同時廃止事件,注2)をした事案。

<解決に至るまで>

債権者数 4社

残債務額 470万円

資産   特になし

収入状況 本人月額給与23万円,支出(生活費)17万円,余剰6万円

<最終的な結果>

 家族の入院費を捻出するための借入が増えて,支払が困難になったため来所されました。

 本人の収入と支出だけを見ると,個人再生による解決も可能でした。しかし,本人は来年に定年退職を控え,再就職の目途もないため,履行可能性(注3)に問題がありました。収入状況確認と個人再生手続の返済額を説明し,個人再生と破産のメリットとデメリットを説明して,本人に理解いただいた上で破産申立(同時廃止事件)を選択しました。

 申立書において個人再生の履行可能性について裁判所にていねいに説明したところ,免責については問題がなかったこともあり,無事免責決定がされました。

<担当者から>

 ご本人は,「退職前に借金を整理することができて安心しました」とのことでした。

【用語解説】

(注1)個人再生(小規模個人再生,民事再生法第13章以下)

 消費者金融やクレジットの総債務額を減額した最低弁済額を原則3年で分割弁済することで,消費者金融やクレジット残額の免除を受ける手続。なお,最低弁済額は原則,①100万円,②債務額の5分の1,③清算価値分(=財産の総額),以上の①~③のいずれか高い金額となる。

(注2)同時廃止事件 (破産法216条1項) 通称「同廃事件」

 破産者の財産が少なく,破産手続の費用の捻出ができない場合に,破産開始決定と同時に破産手続を終わらせる決定をする手続。上記引継予納金は不要であるが,裁判所の書面審査のため,原則申立時に必要資料をすべて提出し,事細かに報告する必要がある。

(注3)履行可能性

 個人再生手続で,弁済計画に基づく返済が継続できる可能性のこと。個人再生手続では最も重視されるポイント。

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