NO.456 債務整理 ⇒ 破産申立と自由財産
<事案>
破産申立で退職金につき自由財産拡張申立(注1)をした事案。
<解決に至るまで>
債権者数 16社
残債務額 1250万円
財産 自由財産拡張財産:預金と過払い金など50万円
<最終的な結果>
ご自身の借入金とクレジットカード利用分を返済していましたが,早期退職により収入が激減したため返済できず,破産申立を希望されました。
債権者からの回答で2社に過払い金があることが判明したため,訴訟提起して請求額に近い金額で和解して回収し,自由財産拡張をするため,破産管財事件(注2)として申立をしました。
一般的に,自由財産拡張申立の対象となるのは,預金,保険,退職金,自動車,敷金,そして過払い金です。預金などを合わせても総額が99万円以下だったので,自由財産拡張が認められ,破産管財人に処分されることはなくなりました。
大きな問題はなく,免責不許可事由(注3)もなかったため,破産管財人は問題なしとして早期に免責決定がされました。
<担当者から>
ご本人は再就職され,新しい職場で活躍されているそうです。
【用語解説】
(注1)自由財産拡張
個人破産の場合に,破産者の経済的再生のため,破産財団に属しない財産の範囲を拡張する手続。一般的に拡張が認められるのは,預金,保険,退職金,自動車,敷金。拡張が認められると,破産管財人に処分されず,破産者の財産として保護される。
(注2)破産管財事件 (破産法31条1項) 通称「管財事件」
破産管財人が選任され破産者の財産をお金に換え債権者に配当するお金を確保する手続。
法人代表者の場合,必ず破産管財事件となる。大阪地方裁判所の場合,破産管財人への引継予納金として20万5000円の納付が必要となる。
(注3)免責不許可事由(破産法252条)
破産手続で免責が認められないとされる事由。
支払不能後の処分行為,浪費,ギャンブル,詐術による信用取引,財産関係資料の隠匿・破棄,虚偽の債権者一覧表の提出,裁判所・破産管財人に対する説明義務違反などがある。
<お客様の声>
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