NO.485 長期間放置していたクレジット会社の債務について、破産手続をして支払い義務を免れた事例。
<事案>
相談者は、18年程前、社会人として働きだした当初、歩合制で給与が低かったことから、消費者金融やクレジットカードを利用するようになりました。徐々に借金の額が膨れ上がるも、毎月何とか返済していましたが、借りては返すの自転車操業の状態になってしましました。その後、引越しを繰り返し借金の返済が長期間放置の状態になっていましたが、近年住民票の移動と共に督促状が届くようになり、どのように対応してよいか分からず、当事務所にご相談に来られました。
<解決に至るまで>
債権者数 3社
残債務額 約350万円
<最終的な結果>
いくつかの借入先は、消滅時効(注1)を援用することで支払い義務を免れましたが、3社については時効の更新事由(注2)があり、約350万円の支払い義務が残ることが分かりました。収入状況や財産状況を検討したところ、支払不能状態であることから、管轄裁判所に同時廃止による破産申立て(注3)をおこない、無事に免責決定がなされました。
【用語解説】
(注1)「消滅時効」
権利を行使しない状態が一定期間続くと権利を消滅させる制度(民法166条)。 貸金業者の債務は、最終の弁済から5年間の経過で消滅時効完成となる。消滅時効完成後、援用することで効果が発生し、債務の支払を免れる。なお、消滅時効援用は、後日の証明のため、内容証明郵便でされることがほとんどである。
(注2)「時効更新事由」
時効期間の進行を中断する事由。具体的には,請求,差押,承認等(民法147条以下)がある。貸金業者の債務の場合,請求(訴訟提起),承認(一部弁済や猶予申入)で中断することが多い。
(注3)同時廃止事件 (破産法216条1項) 通称「同廃事件」
破産者の財産が少なく,破産手続の費用の捻出ができない場合に,破産開始決定と同時に破産手続を終わらせる決定をする手続。上記引継予納金は不要であるが,裁判所の書面審査のため,原則申立時に必要資料をすべて提出し,事細かに報告する必要がある。
<お客様の声>
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