NO.52 会社の代表者の破産申立 2
<事案>
会社の代表者につき,破産申立をした事案
<解決に至るまで>
債権者数 11社
残債務額 約1060万円(代表努める会社の保証債務を含む)
財産 生命保険(1万円),中古自動車(0円)
<最終的な結果>
大阪地方裁判所の取扱では,会社の代表者は,原則会社と同時に破産申立をする必要があり,会社・代表者共に破産管財事件(注1)となります。 代表者は,新たな就職先が決まっており,廃業から1か月半後に就職予定でした。就職までの期間に申立準備と申立書作成をして,予定どおり廃業から1か月半で会社・代表者ともに裁判所に申立をすることができました。 生命保険と中古自動車は,自由財産拡張申立(注2)をして認められ,換価作業も終了していたので,破産手続はスムーズに進み,申立から3か月で代表者の破産手続は終了し,免責決定がされました。 代表者は,事案終了後のご来所時に「(外に出ることが多いので)日焼けしました」と笑っておられました。
<担当者から>
代表者も生活がありますので,ご高齢の方を除き,廃業後新たな就職をされる方がほとんどです。再就職前に申立をして一区切りしておきたいというお考えは当然です。そうなると,廃業から申立までの時間が短くなります。 申立作業をする側からすれば大変ですが,逆にメリハリが付いてよいと思います。
【用語説明】
(注1)破産管財事件 (破産法31条1項) 通称「管財事件」
破産管財人が選任され破産者の財産をお金に換え債権者に配当するお金を確保する手続。 法人・法人代表者の場合,必ず破産管財事件となる。大阪地方裁判所の場合,破産管財人への引継予納金として20万5000円の納付が必要となる。
(注2)自由財産拡張申立
個人破産の場合に,破産者の経済的再生のため,破産財団に属しない財産の範囲を拡張する手続。一般的に拡張が認められるのは,預金,保険,退職金,自動車,敷金。拡張が認められると,破産管財人に処分されず,破産者の財産として保護される。
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