NO.161 代表取締役の破産申立と自由財産

<事案>

 代表者であるので会社と共に破産管財事件(注1)として申立をしたが,受任通知後(注2)に貯まった預金につき自由財産拡張申立(注3)をした事案。

 

 

<解決に至るまで>

債権者数   7社
残債務額   約3000万円
財産     自由財産拡張財産:預金60万円

 

 

 

<最終的な結果>

 大阪地方裁判所の運用では,会社の代表者は会社と共に破産管財事件として申立をする必要があります。
 受任通知後は,債権額確定と偏頗弁済(注4)禁止のため,債権者に弁済することはできません。そのため,本件では,返済に回っていた分のお金を貯めることができたようです。預金も財産であり,自由財産拡張の対象となります。自由財産拡張の申立をした結果,破産管財人は自由財産拡張を認めました。少し時間はかかりましたが,代表者は真面目な方で免責不許可事由は一切なく,他に問題もないため,無事免責決定がされました。

 

 

 

<担当者から>

 自由財産拡張と自由財産については,専門的な知識・判断が必要になります。ご自身で判断される前に,弁護士に何なりとお尋ねください。

 

 
【用語説明】

(注1)破産管財事件 (破産法31条1項)  通称「管財事件」
 破産管財人が選任され破産者の財産をお金に換え債権者に配当するお金を確保する手続。
 法人代表者の場合,必ず破産管財事件となる。大阪地方裁判所の場合,破産管財人への引継予納金として20万5000円の納付が必要となる。
(注2)受任通知
 債務整理受任後,弁護士から債権者に送付される通知文。債務整理の委任を受けたこと,以後弁護士が窓口となり債務者本人に請求しないよう通知するもの。同時に債権額を確認するための債権調査票も送付する。
(注3)自由財産拡張
 個人破産の場合に,破産者の経済的再生のため,破産財団に属しない財産の範囲を拡張する手続。一般的に拡張が認められるのは,預金,保険,退職金,自動車,敷金。拡張が認められると,破産管財人に処分されず,破産者の財産として保護される。
(注4)偏頗弁済(破産法252条1項3号)
 本来の弁済によらず,特定の債権者のみに弁済すること。免責不許可事由となる。

 

 

 

 

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