NO.302 債務整理 ⇒ 廃業後の破産申立 3

<事案>

 個人事業廃業後に破産申立をした事案。

<解決に至るまで>

債権者数   11社(事業での借入先を含む)

残債務額   約980万円(事業での借入金を含む)

財産     特になし

<最終的な結果>

 個人事業をしていた際に借り入れた運転資金と生活費分を廃業後も支払っていましたが,支払が難しくなったため,他の法律事務所に任意整理(注1)を依頼し,弁済を続けていましたが,無理な返済案で支払うことができないため,破産申立を希望しご来所されました。

 個人事業主が破産申立をする場合は,破産管財事件(注2)として申立をする必要があります。しかし,廃業から1年が経ち,会社勤めをしていたので同時廃止事件(注3)として申立をしました。問題になりそうな点は申立前に調査,申立時に報告する手法で進め,裁判所からも特に指摘もなく,無事免責(注4)がされました。

<担当者から>

 事業廃業後も借入金の返済を続けておられる方は多くいます。返済を続けられるならば問題はありませんが,完済の目処が付かない場合は,法的手続もご検討ください。

【用語解説】

(注1)任意整理

 裁判所の手続によらず,債権者と交渉することで,債務額の確定と返済方法につき合意する手続。

(注2)破産管財事件 (破産法31条1項)  通称「管財事件」

 破産管財人が選任され破産者の財産をお金に換え債権者に配当するお金を確保する手続。

 大阪地方裁判所の場合,破産管財人への引継予納金として20万5000円の納付が必要となる。

(注3)同時廃止事件 (破産法216条1項) 通称「同廃事件」

 破産者の財産が少なく,破産手続の費用の捻出ができない場合に,破産開始決定と同時に破産手続を終わらせる決定をする手続。上記引継予納金は不要であるが,裁判所の書面審査のため,原則申立時に必要資料をすべて提出し,事細かに報告する必要がある。

(注4)免責 (破産法248条以下)

 破産開始決定時に存在する借入金などの債務につき,支払義務を免れる手続き。

 個人の破産者は,免責不許可事由(破産法252条)がないか,あっても裁量免責相当とならば免責決定を受ける。

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