NO.289 債務整理 ⇒ 破産申立と自由財産

<事案>

 破産申立で預金につき自由財産拡張申立(注1)をした事案。

<解決に至るまで>

債権者数  19社

残債務額  1840万円(会社の保証債務を含む)

財産    自由財産拡張財産:預金11万円

<最終的な結果>

 ご本人は,個人事業から法人成りして会社を設立し,平成29年に息子さんに代表を譲って引退しました。しかし,会社が破産したため,保証人であるご本人も会社と共に破産申立をすることになり,担保の付いていない戸建てがあったので,破産管財事件(注2)として申立をしました。個人で借りていた倉庫を解約した保証金戻りが預金に入金され,申立費用に充てた残額11万円につき自由財産拡張を行いました。

 一般的に,自由財産拡張申立の対象となるのは,預金,保険,退職金,自動車,敷金です。預金は99万円以下だったので,自由財産拡張が認められ,破産管財人に処分されることはなくなりました。

 大きな問題はなく,免責不許可事由(注3)もなかったため,破産管財人は問題なしとして無事免責決定がされました。

<担当者から>

 ご本人は,傘寿を超え,奥様と共に静かに暮らしておられます。

【用語解説】

(注1)自由財産拡張

 個人破産の場合に,破産者の経済的再生のため,破産財団に属しない財産の範囲を拡張する手続。一般的に拡張が認められるのは,預金,保険,退職金,自動車,敷金。拡張が認められると,破産管財人に処分されず,破産者の財産として保護される。

(注2)破産管財事件 (破産法31条1項)  通称「管財事件」

 破産管財人が選任され破産者の財産をお金に換え債権者に配当するお金を確保する手続。

 法人代表者の場合,必ず破産管財事件となる。大阪地方裁判所の場合,破産管財人への引継予納金として20万5000円の納付が必要となる。

(注3)免責不許可事由(破産法252条)

 破産手続で免責が認められないとされる事由。

 支払不能後の処分行為,浪費,ギャンブル,詐術による信用取引,財産関係資料の隠匿・破棄,虚偽の債権者一覧表の提出,裁判所・破産管財人に対する説明義務違反などがある。

債務整理・自己破産・任意整理・個人再生の無料相談 初回相談料 0円 TEL:0120-115-456 受付時間:10:00~19:00 メール受付