NO.226 休眠会社代表者の破産申立

<事案>

 休眠会社の代表者が,同時廃止事件(注1)で破産申立をした事案。

<解決に至るまで>

債権者数   7社

残債務額   約2800万円(住宅ローン保証債務を含む)

財産     特になし

その他    会社は3年前から休眠状態,資産も負債もなし

<最終的な結果>

 会社代表者をしていた時期に,会社の売上が下がったため,生活費を借入で捻出するようになり,会社を廃業後も返済を続けていましたが,返済が難しくなりご来所されました。

 会社にも債務がある場合は,大阪地方裁判所の運用では,会社の代表者は会社と共に破産管財事件(注2)として申立をする必要があります。調査の結果,会社に資産も債務もないことが判明したので,会社はそのままにして,代表者のみ同時廃止事件で申立をしました。

 裁判所には,会社が休眠状態であること,資産と負債がないことを丁寧に報告しました。ご本人は真面目な方で免責不許可事由(注3)もないため,無事免責決定がされました。

<担当者から>

 大阪地方裁判所の場合,会社代表者のみ裁判所に申立をしたのち,会社に債務があり支払不能の状態にあることが判明すると,会社についても破産申立をするよう指示されます。その場合は,必ず破産管財事件になります。

 本件は,休眠状態であっても会社の財務状況の把握と報告が必須でした。会社や事業をしている,または以前していた方は,会計に強い事務所に相談されることをお勧めします。

【用語説明】

(注1) 同時廃止事件 (破産法216条1項) 通称「同廃事件」

 破産者の財産が少なく,破産手続の費用の捻出ができない場合に,破産開始決定と同時に破産手続を終わらせる決定をする手続。上記引継予納金は不要であるが,裁判所の書面審査のため,原則申立時に必要資料をすべて提出し,事細かに報告する必要がある。

(注2)  破産管財事件 (破産法31条1項)  通称「管財事件」

 破産管財人が選任され破産者の財産をお金に換え債権者に配当するお金を確保する手続。

 法人代表者の場合,必ず破産管財事件となる。大阪地方裁判所の場合,破産管財人への引継予納金として20万5000円の納付が必要となる。

(注3)  免責不許可事由(破産法252条)

 破産手続で免責が認められないとされる事由。

 支払不能後の処分行為,浪費,ギャンブル,詐術による信用取引,財産関係資料の隠匿・破棄,虚偽の債権者一覧表の提出,裁判所・破産管財人に対する説明義務違反などがある。



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