NO.572 債務整理 ⇒ 浪費と免責審尋

<事案>

 元彼に自己名義のクレジットカードを使用されたり、携帯料金が高額であったため、免責(注1)に問題はあるとして免責審尋(注2)が開催されたが、同時廃止事件(注3)の手続内で免責決定を受けられた事案

<解決に至るまで>

債権者数  6社

残債務額  約268万円

浪費額   約220万円(それとは別に高額の携帯料金)

<最終的な結果>

 元彼に自己名義のクレジットカードを使用されたりしたことで、債務が増えてしまい、支払不能となり、事務所に来所されました。もっとも、弊所から受任通知を送った後も、それのみならず、携帯料金が月額8万円であるなど高額であるなど、免責して良いのか裁判所に疑問を持たれたため、免責審尋期日が実施されることとなりました。ですが、携帯料金には生活費を一部スマホ決済しているなどの事情もありましたし、その後格安スマホに切り替えたり決済できる枠を制限したりしていましたので、裁量免責(注4)の余地がありました。同時廃止事件で申立をして、当時の状況及び今後繰り返す可能性がないことを報告したことで、無事に免責決定を受けられ、手続きが終了しました。

<担当者から>

 一見、免責が認められないような事情を抱えておられる方でも、条件、内容によっては、同時廃止事件として処理できる余地があります。詳細は弁護士にお尋ねください。お困りの方は、一度、お気軽にご相談下さい。

【用語解説】

(注1)免責 (破産法248条以下)

 破産開始決定時に存在する借入金などの債務につき、支払義務を免れる手続き。

 個人の破産者は、免責不許可事由(破産法252条)がないか、あっても裁量免責相当とならば免責決定を受ける。

(注2)免責審尋期日

 破産手続で,免責するのが妥当か判断するため行われる債務者と裁判官との面接。大阪地方裁判所の運用では,「集団免責審尋」として,裁判官が裁判所の集会室に集まった債務者に注意事項などを話すことがほとんどである。

(注3)同時廃止事件 (破産法216条1項) 通称「同廃事件」

 破産者の財産が少なく、破産手続の費用の捻出ができない場合に、破産開始決定と同時に破産手続を終わらせる決定をする手続。上記引継予納金は不要であるが、裁判所の書面審査のため、原則申立時に必要資料をすべて提出し、事細かに報告する必要がある。

(注4)裁量免責

 免責不許可事由が存在する場合、裁判所は、経緯その他一切の事情を考慮して、相当と認めるときは裁量で免責を許可することができる(破産法252条2項)。

債務整理・自己破産・任意整理・個人再生の無料相談 初回相談料 0円 TEL:0120-115-456 受付時間:10:00~19:00 メール受付