NO.175 二度目の破産と債務者審尋
<事案>
22年前に破産免責を受けたあと,浪費と退職後の収入減少で返済ができなくなり,二度目の破産申立(注1)をした事案。
<解決に至るまで>
債権者数 4社
残債務額 約400万円
一度目の破産の原因:
長期入院のため退職後,生活費の不足を借入で捻出したため
二度目の破産の原因:
浪費と退職後に嘱託社員になり給与の減額で生活費の不足を借入で捻出したため
<最終的な結果>
一度目の破産原因は,やむを得ない部分はあります。しかし,二度の破産は退職後の給与に合わせた生活ができなかったことであり,また,免責不許可事由(注2)としての浪費(過度の飲食)があったため,裁判所において債務者審尋(注3)が行われました。審尋期日では破産に至った事情と浪費についての確認がされました。
事前に,ご本人から破産に至った経緯を聴き取り,今後の生活再建策を共に検討していたので,裁判所にていねいに説明したところ,無事免責決定がされました。
<担当者から>
免責決定から7年経過後も,二度目の破産は裁判所が厳しく審査する傾向があり,二度目の破産は受任せず門前払いする事務所もあると聞きます。
確かに,二度目の破産では,丁寧な現状と経緯の聴き取り,生活再建策の検討,債務者審尋の同行など,代理人の手間は増えます。
しかし,好きで破産する人はおらず,それぞれ事情があるはずであり,また,手間が増えるから受けたくないというのは,代理人としていかがなものかと考えます。
【用語説明】
(注1)二度目の破産申立
免責許可の決定確定日から7年内は,破産免責の申立はできない(破産法252条1項10号イ)。
(注2)免責不許可事由(破産法252条)
破産手続で免責が認められないとされる事由。
支払不能後の処分行為,浪費,ギャンブル,詐術による信用取引,財産関係資料の隠匿・破棄,虚偽の債権者一覧表の提出,裁判所・破産管財人に対する説明義務違反などがある。
(注3)債務者審尋
裁判所が債務者(申立人)に事情を聞く期日。破産開始決定前に,開始決定をしてよいか,または免責の可能性があるか確認するために行う。債務者は,申立代理人と共に裁判所に行く必要がある。
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