NO.204 自宅が競売により失うも、住宅ローンの残債が残ってしまい破産手続をした事例
<事案>
相談者は定年退職後、貯蓄を切り崩しながら生活をしていました。しかし、夫がガンであることが判明し、入院代や薬代、手術代の医療費がかさみ、家計を圧迫しました。相談者は生活費の補填のために徐々にクレジットカードを使用する頻度が増え、借金が次第に増えていきました。住宅ローンも返済が滞るようになり、自宅は債権者に競売に掛けられてしましました。競売手続きで不動産が処理されるも、住宅ローンの借金は完済することが出来ず、借金が残ってしまいました。夫もガンの転移などで3度ほど手術し、体調の回復に努めるも他界してしまいました。更には夫名義での借金があることも判明し、当事務所に相談に来られました。
<解決に至るまで>
債権者数 17社
残債務額 約1,700万円(内住宅ローン債務250万、保証債務250万)
財産 特になし
<最終的な結果>
相談者は、弁護士費用の捻出も難しい状況であったため、法テラス(注1)の代理援助(注2)を利用して破産申立をしました。特に処分が必要な財産もなかったため、同時廃止事件(注3)として申立てをおこない、無事免責決定がされました。
【用語説明】
(注1)法テラス
総合法律支援法に基づき,総合法律支援に関する事業を迅速かつ適切に行うことを目的として設立された独立行政法人。
(注2)代理援助
弁護士に支払う費用の立替えを行う法テラスの業務。一般的には,申込者が援助申込をして法テラスの援助決定後,法テラスが弁護士費用を立て替えて受任した弁護士に支払い,申込者は分割で法テラスに立替金の弁済をする。
なお,生活保護受給中の場合は,立替金の弁済が猶予(=実質免除)される。
(注3)同時廃止事件 (破産法216条1項) 通称「同廃事件」
破産者の財産が少なく,破産手続の費用の捻出ができない場合に,破産開始決定と同時に破産手続を終わらせる決定をする手続。上記引継予納金は不要であるが,裁判所の書面審査のため,原則申立時に必要資料をすべて提出し,事細かに報告する必要がある。
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