NO.235 母親が相談者名義で貯蓄をおこなっていて、破産手続で問題となった事例
<事案>
相談者は、病気で会社を休職する回数が増え、収入が減少してしまいました。そのため、生活費の補填として借入れをするようになり、またストレスなども重なり、インターネットでのショッピングなど、浪費による借金も増えていきました。相談者の病気の症状が回復に向かい仕事復帰するも、膨らんでしまった借金の返済について自分ではどうすることも出来ず、当事務所に相談に来られました。
<解決に至るまで>
債権者数 3社
残債務額 約650万円
財産 預貯金50万円
保険解約返戻金40万円
相談者の母が、相談者名義の通帳を作成し、200万円の
貯蓄をおこなっていました(相談者は当初知らず)。
<最終的な結果>
破産原因は、生活費のための借入れもありましたが、浪費で作ってしまった負債も多くありました。また、相談者の母が、相談者の知らないところで約200万円の貯蓄を行なっており、この200万円が相談者の財産なのか、母の財産なのかという点が問題になりました。当職としては、総合的な事情を考慮し、相談者の財産ではなく、母の財産であると、詳しい状況や経緯などを管財人に説明しましたが、母から相談者への贈与であると判断され、破産財団に属するものであると判断されてしまいました(注1)。
相談者の破産手続は無事終了し、免責の決定がされましたが、母に迷惑を掛けっぱなしではいけないと、手続き終了後、母に少しずつ仕送りをするという形で親孝行に励んでいます。
【用語解説 】
破産管財人
破産手続で,破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する人(破産法2条12項)。管轄裁判所が破産管財人名簿に登録された弁護士から選任する。
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