NO.157 住宅特則付き個人再生と個人事業
<事案>
個人事業とアルバイトをされている方が,住宅特則付き小規模個人再生(注1)を申し立てた事案。
<解決に至るまで>
債権者数 13社
残債務額 住宅ローン 1800万円
消費者金融・クレジットカード 1100万円
合計 2900万円
資産 自宅
特記事項 受任通知後に個人事業の規模を縮小し,業務形態を変更した
収入状況 アルバイト収入22万円/月,自営収入月3万円/月
<最終的な結果>
消費者金融とクレジットカードの支払がかさみ,ご自宅をなくすおそれがあるためご来所されました。ご自宅を守りたいとのことでしたので,住宅特則付き小規模個人再生での解決を図ることにしました。
ご本人は,個人事業をされていましたが,受任通知後(注2)に外注に出して規模を縮小し,兼業でアルバイトを始めました。自営収入は減りましたがアルバイト収入で収入が安定し,個人再生手続での支払可能性が高まりました。経過を確認した上で,前に比べて支払可能性があることを報告書にまとめて裁判所に申立を行いました。裁判所から弁済可能性についての指摘はなく再生開始決定,再生計画認可決定となりました。
<担当者から>
個人事業者の個人再生手続の場合,支払可能性が問題になることが多々あります。個人再生手続の知識だけでなく,経理・経営の知識も必要になります。個人事業者の場合,法律だけでなく会計も得意とする事務所に相談されることをお勧めします。
【用語説明】
(注1)住宅特則付き小規模個人再生(民事再生法第13章以下)
住宅ローンはそのまま払い続け,消費者金融やクレジットの総債務額を減額した最低弁済額を原則3年で分割弁済することで,消費者金融やクレジット残額の免除を受ける手続。
(注2)受任通知
債務整理受任後,弁護士から債権者に送付される通知文。債務整理の委任を受けたこと,以後弁護士が窓口となり債務者本人に請求しないよう通知するもの。同時に債権額を確認するための債権調査票も送付する。
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