NO.176 住宅特則付き個人再生と収入
<事案>
アルバイトの収入は少ないが年金があるので,住宅特則付き小規模個人再生(注1)を申し立てた事案。
<解決に至るまで>
債権者数 6社
残債務額 住宅ローン 1200万円
消費者金融・クレジットカード 600万円
合計 1800万円
資産 自宅マンション
収入状況 アルバイト収入月10万円,年金月27万円
<最終的な結果>
消費者金融とクレジットカードの支払がかさみ,ご自宅をなくすおそれがあるためご来所されました。ご自宅を守りたいとのことでしたので,住宅特則付き小規模個人再生での解決を図ることにしました。
月々のアルバイト収入は10万円ほどですが,月27万円の年金があるため,履行可能性(注2)は高いと判断しました。ご高齢のためアルバイトを辞める可能性もあったので,アルバイト収入が途絶えた場合のシミュレーションを行い,報告書にまとめて裁判所に申立を行いました。裁判所から履行可能性に関する指摘はなく再生開始決定,再生計画認可決定となりました。
<担当者から>
個人再生手続において,裁判所は履行可能性を一番気にしています。裁判所において履行可能性なしと判断されると,再生委員(注3)選任,取下指示,却下までありえます。申立で気をつかうところです。
【用語説明】
(注1)住宅特則付き小規模個人再生(民事再生法第13章以下)
住宅ローンはそのまま払い続け,消費者金融やクレジットの総債務額を減額した最低弁済額を原則3年で分割弁済することで,消費者金融やクレジット残額の免除を受ける手続。
(注2)履行可能性
個人再生手続で,弁済計画に基づく返済が継続できる可能性のこと。個人再生手続では最も重視されるポイント。
(注3)再生委員
個人債務者再生で,履行可能性と積立,申立内容に問題がないか監督する人。
申立代理人以外の弁護士が選任される。再生委員との定期的な面談が必要になるなど,申立人は再生委員の監督を受ける。大阪地方裁判所の場合,選任には,30万円以上の予納金の納付が必要。
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