NO.273 債務整理 ⇒ 住宅特則付き個人再生と単身赴任

<事案>

 住宅特則付き小規模個人再生(注1)で,申立直前に単身赴任になった事案。

<解決に至るまで>

債権者数 8社

残債務額 住宅ローン 2300万円

     消費者金融・クレジットカード 500万円

     合計 2800万円

資産   自宅

収入状況 単身赴任で手当が毎月3万円付くが,支出が多い

<最終的な結果>

 消費者金融とクレジットカードの支払がかさみ,ご自宅をなくすおそれがあるためご来所されました。ご自宅を守りたいとのことでしたので,住宅特則付き小規模個人再生での解決を図ることにしました。

 申立直前に単身赴任になりました。赴任中は手当が3万円付き,約6か月で赴任先が戻る予定でしたが,支出が赴任前と比べて増えました。また,赴任後の収支を見越して履行可能性(注2)を裁判所に説明する必要がありました。ご本人が遠方のため,なかなかご来所いただけず困りましたが,奥様が全面的に協力してくださり,赴任後の収入予想を丁寧に報告したところ,裁判所から履行可能性に関する指摘はなく再生開始決定,再生計画認可決定となりました。

 なお,現在ご本人は赴任先から戻り,守ることのできたご自宅で,奥様とお子様と暮らしています。

<担当者から>

 単身赴任により生活が変わり,家計の収入と支出も変わります。赴任中だけでなく赴任後を見越して再生計画を立てないと,裁判所から「履行可能性に問題あり」と指摘されてしまいます。

【用語解説】

(注1)住宅特則付き小規模個人再生(民事再生法第13章以下)

 住宅ローンはそのまま払い続け,消費者金融やクレジットの総債務額を減額した最低弁済額を原則3年で分割弁済することで,消費者金融やクレジット残額の免除を受ける手続。

(注2)履行可能性

 個人再生手続で,弁済計画に基づく返済が継続できる可能性のこと。個人再生手続では最も重視されるポイント。

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