NO.195 住宅特則付き個人再生と復職
<事案>
住宅特則付き小規模個人再生(注1)で,復職直後に申立をした事案。
<解決に至るまで>
債権者数 4社
残債務額 住宅ローン 1600万円
消費者金融・クレジットカード 300万円
合計 1900万円
資産 自宅
収入状況 月収27万円(復職後)
<最終的な結果>
休職中に消費者金融とクレジットカードの支払がかさみ,ご自宅をなくすおそれがあるためご来所されました。ご自宅を守りたいとのことでしたので,住宅特則付き小規模個人再生での解決を図ることにしました。
申立直前まで休職されていたため,休職時の収入(傷病手当受給)で履行可能性(注2)を判断すると再生計画を進めることができなくなります。そのため,復職後の収入及び今後の収入状況を裁判所に丁寧に報告したところ,裁判所から履行可能性に関する指摘はなく再生開始決定,再生計画認可決定となりました。
なお,手続完了後,ご本人からお礼の連絡があり,身体の調子も良く元気に働いておられるとのことでした。
<担当者から>
個人再生手続において,裁判所は履行可能性を一番気にしています。裁判所において履行可能性なしと判断されると,再生委員(注3)選任,取下指示,却下までありえます。
【用語説明】
(注1)住宅特則付き小規模個人再生(民事再生法第13章以下)
住宅ローンはそのまま払い続け,消費者金融やクレジットの総債務額を減額した最低弁済額を原則3年で分割弁済することで,消費者金融やクレジット残額の免除を受ける手続。
(注2)履行可能性
個人再生手続で,弁済計画に基づく返済が継続できる可能性のこと。個人再生手続では最も重視されるポイント。
(注3)再生委員
個人債務者再生で,履行可能性と積立,申立内容に問題がないか監督する人。
申立代理人以外の弁護士が選任される。再生委員との定期的な面談が必要になるなど,申立人は再生委員の監督を受ける。大阪地方裁判所の場合,選任には,30万円以上の予納金の納付が必要。
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