NO.239 家計支出を圧縮させるとともに,配偶者の自営業を再建させることで履行可能性を疎明した事例
<事案>
依頼者は,妻の自営業の新店舗出店資金の援助のために借入をしたものの,妻がその自営業の新店舗の経営に失敗したことで支払いが困難になった事例でした。依頼者は,住宅を残しての個人再生(住宅資金特別条項付の個人再生)を希望していましたが,毎月の支出が55万円ほどあったのに対して,自らの収入が月25万円程度で残りの月30万円以上は,妻の自営収入に頼らざるを得ない状態でした。しかし,配偶者の直近の確定申告書は,自営業拡大の失敗もあり,赤字の状態で,帳簿上は到底,依頼者への支払いの援助が期待できず,現状では依頼者に再生計画案の履行可能性が期待できないと考えられる事例でした。
<解決に至るまで>
事案としては,破産相当でしたが,依頼者は,小さい子供がおり,多くのペットも飼っているため,どうしても自宅を手放したくないという意向でした。また,配偶書も,店舗拡大の失敗の後,自営業の経営も安定してきたため,将来的には再生計画案の弁済が可能であると考えており,個人再生を強く希望しました。
<最終的な結果>
確定申告書等の公的資料からは,明らかに収入不足で履行可能性がなかったため,裁判所から再生委員が選任されました。本件は,本人が仕事の関係でダブルワークをすることもできなかったため,家計支出の圧縮と配偶者の自営業を再建させて依頼者に対して毎月30万円程度の弁済金の援助が期待できるかについて再生委員から厳しく審査されました。そこで,家計支出の圧縮を図るとともに,配偶者の自営業について,事業債務の返済のリスケジュール,事業収支の見直しと経営の改善,地方のイベントへの臨時出店契約の締結等によって,経営の改善を図り,将来的には現状の店舗数であれば確実に黒字で安定し,月30万円程度の配偶者の手取り収入を確保できることを疎明しました。
結果として,個人再生の認可決定を獲得しました。
<解決ポイント>
家計支出の圧縮の指導。
配偶者の自営業の再建と安定により,十分な弁済金の援助が期待できることの疎明。
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