NO.252 住宅特則付き個人再生と浪費

<事案>

 株式とFXの投資の失敗で借入をしてしまい,住宅ローン支払いが難しくなり自宅を失うおそれがあったため,住宅特則付き小規模個人再生(注1)を申し立てた事案。

<解決に至るまで>

債権者数 11社

残債務額 住宅ローン 250万円

     消費者金融・クレジットカード 1400万円

     合計 1650万円

資産   自宅(戸建て)

収入状況 月26万円

<最終的な結果>

 株式とFXの投資の失敗で借入をしてしまい,消費者金融とクレジットカードの支払がかさみ,ご自宅をなくすおそれがあるためご来所されました。ご自宅を守りたいとのことでしたので,住宅特則付き小規模個人再生での解決を図ることにしました。 まず,本人に二度と投資しないと約束してもらいました。つぎに,収入と支出を確認して支払可能性(注2)を検討しました。ある程度の収入があり,安定した勤務先であるため,履行可能性は高いと判断し,報告書にまとめて裁判所に申立を行いました。裁判所から履行可能性に関する指摘はなく再生開始決定,再生計画認可決定となりました。

<担当者から>

 投資で簡単にお金が手に入るなら,みんな投資して,働いている人はいないはずです。そうなっていないということは,投資でお金を得ることは難しいということなのでしょう。

【用語解説】

(注1)住宅特則付き小規模個人再生(民事再生法第13章以下)

 住宅ローンはそのまま払い続け,消費者金融やクレジットの総債務額を減額した最低弁済額を原則3年で分割弁済することで,消費者金融やクレジット残額の免除を受ける手続。

(注2)履行可能性

 個人再生手続で,弁済計画に基づく返済が継続できる可能性のこと。個人再生手続では最も重視されるポイント。

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